基幹システムの再構築や、それに合わせた業務プロセスの見直しをしたいということで、業務改革の支援をして欲しいという企業が増えてきました。
その中でも、弊社が相談を受ける企業は、これまで何度も業務プロセスの見直しや効率化の検討をしたけれど、関連部門がやる気が無くてプロジェクトに積極的に参加しなかったり、当事者の問題意識が薄くて「こうしたらいい」という効果的な改善案が出てこなかったりして、プロジェクトが進まず頓挫してしまった企業ばかりです。
一般的には、企業のニーズを企業側で明確にした上で、ITベンダーに開発を依頼するという手順になります。
そのため、何をしたいのか。業務プロセスをどう変えるのか。情報システムに何を期待して、どのような情報システムが欲しいのか。は、企業側だけで検討するものだという考えが常識だと思われています。
しかし、今の企業の課題は複雑で、企業のニーズを検討できない企業がたくさんあるというのが実状です。
これまで何度もプロジェクトが頓挫してしまった企業は、「一般的な考え方や標準的な手順では、我が社の改革活動は進まないのです」と、ほぼ間違いなく言われます。
今の企業にとって、企業の個性や特徴、状況に合わせた改革活動を企画して進めなければ、そして進めながら臨機応変に状況に対応できなければ、改革活動は難しいのです。
大手のコンサルティング会社やITベンダーであれば、様々な状況に対応できると思われるかもしれません。しかし、実は逆で、大手であればあるほど、活動や提案内容まで標準化されており、それから外れたことができません。
製造業で例えるなら、多くの製品を効率的に作るために、誰でもできるように作業が標準化されているようなもので、そのような人に標準作業から外れたことをやらせることは難しいのと同じなのです。
個性や特徴を持った企業にとっては、大手コンサルティング会社やITベンダーではなく、企業の様々な状況にも対応できる、標準化されていない「職人技」を持ったコンサルティングが必要なんだと改めて感じている次第です。