業務プロセスフローを作ってみたけれど

今、あるお客様で、会社の経営目標を実現するために、仕事のやり方を根本的に見直したり、生産現場の生産性を上げる取組みを始めています。

仕事のやり方を見直すために、現状を知る必要があるので、その一つとして業務プロセスフローを作ってもらうのですが、その時に、どこの会社も決まって言うことがあるのです。

それは「業務をどんな粒度で描けばいいのですか」という言葉。

これって、極めて答えにくい質問で、いくら言葉で説明しても「業務の粒度」なんて分からないし、そもそも業務プロセスフローを書くための「業務の粒度」なんて決まってないんですから。

業務テンプレートやツールを使うコンサルタントもいますが、実を言うと、それを使って描けたからと言って、その後の検討に全く役に立たないことも多い。

「業務プロセスフローを作ってみたけど、それで?」という経験をした人も多いはずです。

だから、「業務をどんな粒度で描けばいいのですか」と言う人は、たいていの場合「これまで書いたことあるけど、また無駄になるんでしょ。結局、どう描けば使い物になる業務プロセスフローが描けるんだよ。それを教えてくれるまでは、私たちは作らないよ」と心の中で言っているんだろうなと思っています。



私の場合は、基準となる粒度感を持ちつつ、目的に合わせて業務の粒度も業務プロセスフローの描き方も変えています。ただ、それを最初に理解してもらってから作ってもらうのは難しいし、理解してもらうのに時間もかかる。

だから、最初は企業の人たちと一緒に作ります。

企業の人たちと一緒に作りながら、自分のこれまでの経験の引き出しから「あぁ、ここに問題がありそうだな」「この仕事のやり方がまずいな」と気付いたところを、わざと企業の人たちにも気づいてもらえるように表現をします。企業の人たちが「あれ、このやり方は変だよな」「変えた方がいいかな」と気付くことが、業務を見直すことの第一歩だからだし、気付けるような表現がしてあれば、解決策も見つけやすいからです。

そして、一緒に経験することで、使える業務プロセスフローとはどんなものなのかを効果的に理解してもらうのです。

結局、どう描けば使い物になる業務プロセスフローになるのか、ではなくて、使い物になるように業務プロセスフローを描くしかないのです。


「業務をどんな粒度で描けばいいのですか」と言っている時間があるのであれば、まずは手を動かして、使い物になるように試行錯誤を始めましょう。

私が効率よく試行錯誤できるようにリーディングして、その時間を短くしますから。

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